駆け込む人々

今朝電車に駆け込み乗車しようとしている人を二人見かけた。
駅員さんが「扉が閉まっております。危険ですので駆け込み乗車はお止め下さい!」と言っているのに、エスカレーターを駆け下りて行った。
結局、その二人は乗れなかった。

エスカレーターを駆け下りる際に、転倒して大けがをする恐れがある。
前にいる人を押しのけて、傷害事件になるかもしれない。
上っている怖い人とぶつかってキレられるかもしれない。
電車の扉に巻き込まれたり、ホームとの間のミゾにハマったりして、人身事故になるかもしれない。電車の発車を遅らせれば、高額な損害賠償を請求されるかもしれない。

それらのリスクを侵してまで、駆け込む意味はあるのだろうか。数分後にすぐに電車が来るのにである。
冷静に考えれば、そんなことをするとは思えない。
ただその時に、慌ててしまっているだけなのである。
少なくとも、私はそうである。
「駆け込むリスクを取って、遅刻しているのである。」などと考えている訳ではない。
むしろ何も考えていない。

相場で追い掛けをやってしまう時にも、そういう心理なのかもしれない。
そう思ってしまう背景には、損をしている、あるいはチャンスを逃していると言う状態が続いているのだと思う。
もし、いままでにチャンスを捉えていて、落ち着いているならば、「また次のチャンスを待てば良いや」と思っていて冷静である。
また、ブレイクアウトが久しぶりだった場合いも、意表を衝かれて只茫然としていることが多いように思う。

次のブレイクアウトには絶対乗ってやろうと思っている時に、えてして逆になってしまうものだ。
とすれば、底値で売り込む、天井で高値を掴むと言う状態。
素人でも、本当の素人だと、リスクを避けるために、底値で逆張りしようとしたり、天井と思って、騰がったところを売るものなので、ブレイクアウトで失敗する人というのは、ある程度、相場の知識がある人々ということになる。

「そんなことあるの?』と思うかもしれないが、実際にやってみると「しまった!」ということも多い。

それと最近考えていることなんですけど、ブレイクアウトに乗るということは、流動性が低いので、不利なレートで約定することも多い。また、損切りの位置をどこに置くのかも悩ましい。保合からブレークするので、その保合の高値や安値にすると、結構な幅の損切りになる。
そうすると、ブレイクアウト戦法は、どちらかというと、より大きい時間枠で考えると有効な気がする。
だから、見通しもなくやたらめったら仕掛けても、ペイするかどうかは解らない。

ブレイクアウトの失敗形を狙うと言うことは、ブレイクアウト派の損失が利益になっていることは確かだが、ブレイクアウトを仕掛けている人も、失敗するのなんか百も承知でやっているのだ。
先に自分の手を見せて行動しているのだから、逆張り派よりも当然利益が多くないと話にならない。これは、オプションなどの買いのようにも考えられる。つまりチャンスを買っているのだ。

(以下は、ブレイクアウトでの仕掛けを「買い」、それの逆を張る人を「売り」と表現する。)
そうすると、闇雲にやっていると、「買い」のコストがかさんでくる。

そうすと「売り」の方は損失が大きいのか?と言うとそうでもない。普通にストップを置いていればいいから。
ストップを置かなければ当然、流れに向かっていることになるので、失敗した場合の損失はとてつもなく大きくなる。
また、ボラティリティが大きいところだと、偶然の要素でストップになる可能性もある。
売りが必ずしも確率的に有利ということはない。
買いの場合は、保合まで戻れば、仕方がないと、諦めがつく意味もある。

売りの場合も、「逆に行けば行く程、戻りが多くなる」ではなくて、「自分の予想が違っていた」と考えるべきではないだろうか。

「当然そうなる」と思っているとき。その方向に行くと思っているので、逆のブレイクアウトに反応が遅れる。損切りが後からでてくる。新規の逆張りが継続的に入り、次々と失敗する。あとから駆け込み乗車する可能性がある人も多いと考えられる。

あとは逆方向に行って静かになったときには、大きな玉で相場に影響を与える仕手の動きに注目する。買いたいと思っていても、すでに騰がっていて、しかも板が薄くて買ったら値が飛んでしまうとき。そうしたら、ある程度押すのを待つかもしれない。そして、下がったら、「もともと買いたかったもんね」といって、ある程度値段が飛んでも買ってくる。なぜなら、下がっているので、元の価格よりも良い値段で買えるからだ。

あとは、大量に買い集めたり、売りの種を巻いておいたりして、一気にやってくるケース。
まぁでもどうなんだろう。
結局脳内で終わりにしておこう。
多分なんかずれているような気がする。
もっとリアリティーを求めて行かないと。